うしかい(牛飼)座(Bootes)
全般
叙情詩「イリアスとオデュッセイア」に出てくる牛飼いという噂もあるが、「熊使い」「熊の番人」「熊を追うもの」という話の方が有名である。
月と狩りの女神であるアルテミスは、水浴している時に、侍女の一人カリスト(最も美しい女)が妊娠しているのに気付いた。やがて、カリストはアルカスという男の子を生んだ。アルテミスが問い詰めてみたところ、お腹の子供の父親はゼウスということが判った。
アルテミスはゼウスの娘である。当然、母親ヘラ(ゼウスの妻)にも告げ口する。怒った母娘は、妾カリストを熊の姿に変えて、森の中をさまよい続ける罰を与えた。今も昔も、女同士の争いというのは怖いもんだ。
悲劇はここから始まる。息子アルカスは立派に成長し、優れた狩人になった。ある日、猟犬を連れて森で狩をしている時、偶然、熊の姿の母親と出会ってしまう。立派な青年になった息子に駆け寄る母と、襲いかかってくる(ように見える)熊をこん棒で殴り殺してしまう息子。あー、涙、涙。
不憫に思ったゼウスは母親をおおぐま座、息子をこぐま座、熊の姿に変る前のアルカスをうしかい座にした。といっても、ゼウス、あんたが蒔いた種だろううが。
というわけで、空の上でも、うしかい座はそばにりょうけん座を引き連れて、おおぐま座を追い続ける位置に配置されました。ちなみに、おおぐま座はヘラの嫉妬の為に、地平線に沈んで休むこと無く、一晩中北の空を回り続けている。
ちなみに、日本では「のし」、ヨーロッパでは「凧」に見立てていた。
近所の星座
北にりゅう。北西におおぐま。西にりょうけん、かみのけ。南におとめ。南東にへび。東にかんむり。北東にヘルクレス。
神話
星雲星団ツアー
14 05.5 球状星団 NGC5466